教室
集団補聴器
下関分校の先生たちは、胸から小型マイクをぶら下げています。
先生の声をマイクからひろい、子どもたちの補聴器に届ける機械です。
教室の床の下には、磁気誘導ループというコードが張られており、
集団補聴器とつながっています。
このループの上にいると、先生と離れていても、音がよく聞こえます。
このループは、
体育館や運動場にも埋められています。
マイク
集団補聴器
先生が胸から下げます。
床に磁気誘導ループのコードが出ています。
チャイムのランプ
チャイムの代わりのランプです。授業中は青がついていますが、
休み時間になると
消えます。非常のときに赤ランプがつきます。
トイレには非常用ランプがあります。火事などで非常用サイレンが鳴ると、
非常用
ランプがつき、子どもたちはそれを見て避難します。
教室のチャイムのランプ
トイレの非常ランプ
大きな鏡と水道
発音の練習に使います。母音(あいうえお)を言うとき、
口の形が正しく開いているかを鏡で見ます。
水道は、うがいをしたり、コップに水を入れてストローで
ぶくぶくとやさしく長く吹く、などで使います。
発音器官(唇・舌・のどなど)の訓練や息の出し方の練習です。
机の並び方
机の並び方が、馬蹄形(ばていけい:馬のひづめ)です。
子どもたちは補聴器をしていますが、それだけでは、
音や声 は十分聞き取れません。
そこで、口の形を見て相手がなんと言っているか読みとることで補います。
(「読話(どくわ)」と言います。)
また手話や指文字を使って話をする子どもたちもいます。
机が馬蹄形に並んでいると、先生や友だちの口や手の動きがよく見えます。
先生や友だちの話がわかるように、聞くことだけでなく、
見ることも大切にしています。
机やいすの脚に、テニスボールをはめています。
これは、机やいすを動かしたときの雑音を少なくするためです。
補聴器は、話し声だけでなく、すべての音を大きくしてしまいます。
そのため、雑音まで大きくしてしまい、話し声をじゃましてしまいます。
それで、テニスボールをはめて、雑音を消すようにしているのです。
補聴器をつけている子どもたちは、雑音があると話の内容が
わかりにくくなります。
ざわざわした教室よりも静かな教室の方が、より聞き取りやすくなります。
また、「ふでばこを落とす音」は、急に大きな音が補聴器を通して
耳に入ってくるので、補聴器をつけた子どもたちはびっくりしてしまいます。
このように、聴覚障害の子どもが学ぶときは、
見え方や聞こえ方に気をつけています。
手前は、先生の机です。3人の子どもの机が馬蹄形にならんでいます。机
やいすには、テニスボールがついています。